概要
“利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する” 通称、制御された機能ロールアウト (CFR) の動作や、これを ON にした場合、どのような恩恵を受けられるのかを調べたので残しておきます。
機能ロールアウト (CFR) について
機能ロールアウト (以下、CFR) は、Windows 11バージョン22H2 以降で利用可能です。CFR を利用する場合は、下図の通り [利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する] を [オン] にします。
ちなみに Windows 10 22H2 でも利用は可能な機能です。
CFR を紹介するには、品質更新プログラムやオプションの更新プログラムを紹介する必要がありますので、先にそちらを。
品質更新プログラム
毎月第2火曜日 + 1日後、月例のセキュリティ更新プログラムとして提供されており、B リリースや LCU、品質更新プログラムと呼ばれております。
含まれているものは、セキュリティパッチ、前月の D パッチ (後述) で導入された新しい機能、バグフィックスなどです。この更新プログラムは累積更新プログラムのため、常に最新のパッチを適用することで、パッチサイズは小さくなりますし、逆もまた然り。
オプションの更新プログラム (非セキュリティ プレビュー リリース)
オプションの更新プログラムは、翌月に展開される品質更新プログラムの2週間前に展開され、翌月に展開される品質更新プログラムの先行配信の位置付けです。以前は C パッチや D パッチと呼ばれていました。
基本的にはセキュリティ関連の更新プログラムは含まれておらず、新しい機能が追加されます。
オプションの更新プログラムは、最新バージョンにのみ提供されており、Windows 11 23H2、22H2、Windows 10 22H2 に提供されています。 (2024年6月30日現在)
この更新プログラムが CFR の対象となります。
更新プログラムのまとめ表
B、C、D パッチがあり、各更新プログラムは以下のような用途、パッチ名です。
リリース名 | パッチ名 | 展開日 | 用途 |
B リリース | ・品質更新プログラム ・セキュリティ更新プログラム ・LCU | 第2火曜+1日 | ・前 D リリースの新機能 ・脆弱性対処 ・バグフィックス |
C リリース (旧、現在は D リリースに統合) | ・プレビュー更新プログラム ・”オプションの非セキュリティ プレビュー リリース | 第3週 | ・新機能 (翌月の B リリースの検証用) ・バグフィックス |
D リリース | ・プレビュー更新プログラム ・”オプションの非セキュリティ プレビュー リリース | 翌月の B リリースの2週間前 | ・新機能 (翌月の B リリースの検証用) ・バグフィックス |
CFR のグループポリシー
CFR をグループポリシーで利用する場合は、以下の設定で利用可能です。
(Windows Server 2025 を利用した場合は新しいポリシーになります)
Windows Server 2025 の構築した記事はこちら。
また、Windows Server 2025 の Acitve Directory の構築した記事はこちら。
[新]
コンピューターの構成\ポリシー\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\Windows Update\Windows Update から提供される更新プログラムの管理\オプションの更新プログラムを有効にする
[旧]
コンピューターの構成\ポリシー\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\Windows Update\Windows Update for Business\オプションの更新プログラムを有効にする
また、各項目は以下のように設定されます。
·[オプションの更新プログラム(CFR を含む)を自動的に受信する]
これを設定すると、オプションのセキュリティ以外の累積的な更新プログラムと段階的な機能ロールアウト (CFR) を自動的にインストールします。
·[オプションの更新プログラムを自動的に受信する]
CFR を除くオプションの累積的な更新プログラムのみを自動的にインストールします。
·[受信するオプションの更新プログラムをユーザーが選択できる]
[設定]>[Windows Update]>[詳細オプション]>[オプションの更新プログラム] にて、オプションの更新プログラムを取得するかを手動で設定できます。
[利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する] の設定をすることで、オプションの更新プログラムと CFR をインストールすることを選択できます。
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