概要
本記事は Windows 11 の KB5063878 (B パッチ)、KB5062660 (D パッチ) における SSD のアクセス不具合について記載したものです。
本件は Phison 社、Microsoft 社ともに解決策は出しておらず、SSD、Windows Update どちらが問題かは 2025年8月29日現在、不明のままです。
B パッチ、D パッチについては、こちらをご参照ください。
背景 – 時系列順
本障害は、X (旧 Twitter) のユーザー、ねこるすきーさん (@Necoru_cat) によって検証され、発見された不具合です。
これは Phison 製のチップを搭載したもの含む SSD が問題となっていました。
こちらは海外掲示板である Reddit、X、Microsoft コミュニティでも問題となっており、複数のユーザーで事象は発生しているようです。
本件を時系列順で記載しておきます。
2025年8月19日 Phison 声明
海外メディアである “Tom’s Hardware” によると、Phison 社は本件の内容をパートナー企業と連携し、事象解決に向けて調査すると発言しました。
PhisonはTom’s Hardwareに対し以下の声明を発表しました。「Phisonは最近、Windows 11向け更新プログラム『KB5063878』および『KB5062660』が業界全体に及ぼす影響について認識しました。これらはPhisonがサポートする製品を含む複数のストレージデバイスに影響を及ぼす可能性があります。当社は本問題が引き起こした混乱を理解し、速やかに業界関係者と連携しました。当社は製品の完全性、ならびにパートナー企業およびエンドユーザーの成功に対する確固たるコミットメントを堅持しております。現時点で影響を受けた可能性のあるコントローラーについては調査中であり、パートナー企業と連携しています。影響を受けた可能性のあるパートナー企業に対し、サポートの提供と適切な対応策の実施を確実にするため、引き続き最新情報と勧告を提供してまいります。」
Latest Windows 11 security patch might be breaking SSDs under heavy workloads — Phison investigating reports of disappearing drives following file transfers, including some that cannot be recovered after a reboot | Tom’s Hardware 日本語訳済み
2025年8月21日 Microsoft 声明
同様、海外のメディア BLEEPING COMPUTER によると、次は Microsoft 社より声明が出ました。内容としては、SSD/HDD の問題は把握しているものの、Windows Update によるディスクへの破損の再現性はない、と発表しております。
マイクロソフトは水曜日、BleepingComputerに対し、セキュリティ更新プログラムKB5063878のインストールによりSSDおよびHDDのデータ破損や故障が発生しているとの報告を把握していると伝えた。
BleepingComputerが入手したサービスアラートでは、同社は最新のWindows 11 24H2システムではこの問題を再現できず、現在影響を受けたユーザーから追加情報を含む報告を収集中であると付け加えた。
「当社はストレージデバイスパートナーと協力し、問題の再現を試みています。本発表時点では、内部テストやテレメトリデータからディスク障害やファイル破損の増加は確認されていません」と同社は述べた。
Microsoft asks customers for feedback on reported SSD failures 日本語訳済み
2025年8月27日 – 再度 Phison 社声明
再度、海外のメディア WCCF TECH より Phison 社の声明が出ました。
内容としては、4500時間以上、2200回のテストを行っても再現性は得られない。仮に Windows Update を行う場合は、サーマルパッド、ヒートシンクを使うように、とベストプラクティスとともに発言されています。
8月18日に発表した通り、PhisonはWindows 11の『KB5063878』および『KB5062660』更新プログラムが、Phisonがサポートする製品を含む複数のストレージデバイスに影響を及ぼす可能性があることを認識しました。これを受け、Phisonは影響が報告されたドライブに対し、累計4,500時間以上のテストを実施し、2,200回以上のテストサイクルを実行しました。報告された問題は再現できず、現時点でパートナーや顧客から当該問題によるドライブへの影響報告は受けておりません。
Phisonは最高水準の信頼性を維持し、業界パートナーと連携しながら状況を注視し続けます。
エンドユーザー向けベストプラクティス
当社の検証テストではこれらのWindows 11更新プログラムに関連する懸念事項は確認されませんでしたが、高性能ストレージデバイスをサポートするための業界ベストプラクティスを共有します。大容量ファイル転送や大規模アーカイブの解凍など、長時間継続する作業を行う際は、ストレージデバイスに適切なヒートシンクまたはサーマルパッドを使用することを引き続き推奨します。これにより最適な動作温度を維持し、サーマルスロットリングの可能性を低減し、持続的なパフォーマンスを確保できます。ご質問やトラブルシューティングが必要なユーザーは、support@phison.com までお問い合わせください。
Phison Dismisses Reports of Windows 11 Updates Bricking SSDs, Runs Rigorous Tests Involving 4500 Hours on Drives But Unable To Reproduce Errors
2025年8月29日
X にて検証結果を報告された、ねこるすきーさん (@Necoru_cat) によると、ヒートシンクはつけているように述べられています。
今後の対応
これを受けてか不明ですが、Windows Update で Windows 11 24H2 の D パッチがまだ展開されていません。Windows 11 23H2 はすでに展開されています。
対処法
本件の対処法としては、該当する Windows Update をアンインストールすることです。
ただし、アンインストールには注意点があります。
おそらく本事象に遭遇しそうな一般ユーザーは、ゲームなどをやっているユーザーかと思います。
2025年8月の定例パッチ (KB5063878) をアンインストールする場合 、グラフィック等などに起因する (DirectX Graphics、GDI+) 脆弱性対応ができなくなります。
CVE-2025-50176、CVE-2025-50176 は、深刻度は Critical (緊急) で、悪意のある攻撃者から、遠隔でリモートコードを実行される恐れがあります。
1.[設定] – [Windows Update] – [更新の履歴] を開きます。

2.画面下部へ移動し、[更新プログラムをアンインストールする] をクリックします。

3.該当する KB5063878 をアンインストールします。

4.[この更新プログラムをアンインストール] にて [アンインストール] し、再起動します。

何度も言う通り、本操作によって、深刻度:緊急 の脆弱性対応はできなくなります。
本操作によって発生した問題については、自己責任でお願いします。